2010.07.29 Thursday/
◎ 退陣要求が続出=消費税発言「心からおわび」と首相―再選出馬を表明・民主両院総会
民主党は29日午後、大敗した参院選を総括するため両院議員総会を東京・永田町の憲政記念館で開いた。菅直人首相(党代表)は、消費税増税を掲げたことを「不用意な発言で、重い、厳しい選挙を強いたことを心からおわびする」と陳謝。その上で、9月の党代表選に触れ「わたし自身の行動を含め、判断してもらう」と述べ、再選を目指して出馬する意向を事実上表明した。
一方、出席者からは、首相の退陣を求める声が相次いだ。
首相としては、同日の両院総会で責任問題に区切りを付けた上で、30日召集の臨時国会を乗り切り、再選への流れをつくりたい考えだった。
首相の続投に根強い異論があることを裏付けた形だ。
冒頭、あいさつした首相は、参院選大敗を陳謝し「全員野球で政策実現にまい進しないといけない」と党の結束を呼び掛けた。これに対し、出席者からは「戦争で大敗北した責任を最高司令官が取るのは当たり前だ」(川上義博参院議員)、「大切なのは責任はしっかり取る、そこだけだ」(松木謙公衆院議員)などと首相への退陣要求が噴出。執行部批判の大半は小沢一郎前幹事長に近い議員からだった。
その半面、「前執行部の小沢、鳩山(由紀夫)両氏の連帯責任も感じる」(石井一副代表)、「辞めること自体が無責任だ」(近藤和也衆院議員)と、首相擁護の意見も出た。
時事通信 平成22年7月29日 より全文引用
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§ ポーズでは越えられない矛盾
悩ましい結果だった参議院選挙。
得票数は自民党よりも多かったのに、獲得議席数が目標よりも10議席もダウンしたからだ。
それは一票の格差が大きかった事も理由にあるが、しかし結局はそれぞれの地域で敗北したから議席数がとれなかったのだから、やはり敗北である事には違いない。
そのこと自体は、菅民主党執行部も一応は理解している様子だ。
とはいえ、菅代表の「心からお詫び」は、ポーズに過ぎない事は明らかだ。
何故なら「再選目指して代表選に出馬する」とし、尚かつ「それまではこの体制で行く」ともしている。
「代表選で再選されれば”みそぎは済んだ”」という事にするつもりだろう。
だが仮にこんなおかしな論法が仮に民主党内部で通るとしても、ねじれ国会を乗り切れるかどうか迄は不明だ。
第一、安倍内閣が倒れた時よりも状況が悪い。
真の”みそぎ”は国政選挙以外ではあり得ない。
その事は民主党自身が安倍・福田・麻生に対して言ってきた事だ。
それを自ら破るか?
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§ 擁護論になっていない擁護論
「前執行部の小沢、鳩山(由紀夫)両氏の連帯責任も感じる」(石井一副代表)
「辞めること自体が無責任だ」(近藤和也衆院議員)
以上が首相擁護の意見だと言う。
石井の言う「前執行部の責任」だが、これが全くおかしな話である事は言うまでもないが、一応言っておく。
前執行部が辞任して支持率がV字回復した事は、間違いない。
つまり、前執行部と現執行部の因果関係は、前執行部の辞任によって「切れた」と言える。
従って今回の選挙は現執行部の「仕事ぶり」による結果である。
無論、現執行部が前執行部の敷いたレールに基本的には乗っていたとしても、それ自体や、消費税増税の言及や、野党に「一緒にやりましょう」等と秋波を送った事も、現執行部としての自立した判断で臨機応変に行った筈である。
それでも「前執行部が」と言っているのだとすれば、ほぼ「甘え」と言うべきだろう。
更に言えば、政治とカネの問題「とされる問題」は、民主党が党として闘おうとしなかった点に問題があった。
鳩山首相の件は社会的に糾弾する必要性が限りなく薄かったし、小沢氏の件では検察の方がおかしな捜査をしているだけで全く問題はない状況であるのだから、野党やマスゴミと一緒になってわざわざ「負け」に導く様に「説明責任を果たせ」と言っていた勢力である現執行部の連中にこそ「責任」があると言える。
従って、石井の主張はあらゆる意味で誤りである。
また、近藤(これは石川3区の衆議院議院)の言う「辞めること自体が無責任だ」論は、誰に対する何について「無責任」なのかがハッキリしない。
菅首相及び現執行部の選挙で訴えた事が「支持されなかった」という事は、国民から政権担当者として「不適格」とされたという事であろう。
政権は国民によって立てられるものであるから、「辞める事」自体は無責任ではなく、むしろ「続ける事の意味」が不明確である事の方が問題なのは自明だ。
故に、近藤の主張は根拠不明の妄言と言うほか無い。
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§ 菅民主党執行部が存続を許される唯一の道
菅代表が民主党代表選で「再選」されようとも、それは所詮は党内という「コップの中の嵐」を「おさめた」という事に過ぎない。
だから国政上、それが免罪符・みそぎになる事はない。
では、菅代表が「総理大臣」としても内外から認められる為には、もう一度選挙をやる他ない。
そう。衆議院解散総選挙である。
ここで勝てば「直近の選挙で民意を得た」という事になるから、安倍政権の二の舞にはならない。
負ければ政権を失うのであるから、その時は菅民主党執行部は完全に指導力を失う。
そもそも相手にすらされないだろう。
無論、総選挙に打って出ずに「政界プチ再編」で乗り切るという手もある。
だがそれは、民主党側のご都合主義に野党があわせてくれなければ話にならない。
いわゆる「パーシャル連立・連合」が呼びかけられているが、そんなモノなんぞに乗ってくるかどうか?
追い詰められ、倒される方が早かろう。
今、菅執行部は「脱小沢」を実質上の争点とした衆議院解散総選挙のシナリオをシミュレーション中ではないかと思われる。
だから代表選まで「現執行部のまま」で行く。
公認権を握っている今なら、小沢氏を抑えつつ「脱小沢」の選挙に打って出られる目が残っているからだ。
また、政策的には新自由主義なので、みんなの党や自民党内のその手の勢力と結びつけば、参議院における勢力図も変わりうる。
実際、マスゴミの徹底した小沢氏に対するネガキャンは続いている効果で、世論調査は小沢氏の復権反対の声が大きいとしている今なら、菅政権の復権が成りうる。
何れにしても、これから先1週間がその山場ではないかと思われる。
何故なら、解散から40日以内に選挙となる以上、ここ数日中に決断しないと、国会が後ろにズレすぎて、予算策定が間に合わなくなるからだ。
従って、今宵が「前夜」なのかどうかは、ここ数日の内に決まる。
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民主党 菅「似非クリーン政権」 | 22:58 | comments(0) | trackbacks(1)